【ヴィクトリアM】格上才女に待ったをかける西の2騎/真価発揮のお膳立てが整う!【新潟大賞典】

【ヴィクトリアM】格上才女に待ったをかける西の2騎/真価発揮のお膳立てが整う!【新潟大賞典】

05/14 (木) 美浦追い切りレポート

5/17(日)東京11R ヴィクトリアマイル(GⅠ)

頭数こそ揃ったが、レースの様相は明白と捉えて良い。何故なら、既にGⅠを2勝挙げているエンブロイダリーの存在があるから。
柴田卓哉
柴田卓哉

軌道に載った3歳から崩れたのはオークスと香港だけ。昨5月は距離に尽きるし、デリケートな牝馬の海外遠征に安定味を求めるのは酷。対して、立て直した前哨戦の4月・阪神を難なくクリアーしたエンブロイダリー

確かに、前後半差1.4秒といったスローに落としての逃げが功を奏した反面、持ち時計を短縮とその時点での進化が見えたし、美浦に帰ってからは、1週前コース追い→直前の坂路とプラン通り。3度目のGⅠゲットに向けて待ったなし。

柴田卓哉
柴田卓哉

しかし、今回は敢えてカムニャックを。

昨秋、TR快勝があっての本番が意外なまでに淡泊だったように、気持ちの面でアテにできぬ。しかし、マイルに照準を定めての前哨戦は、エンブロイダリーのペースで進む中、鋭さ満点に結局はクビ差にまで迫ったのだから互角以上とすべき。

それをどうキープするかといった中間だが、それでも1週前には3頭併せでの先着があって1Fは楽々の11.3秒。1度走った府中マイルは6着だが、当時はあくまでもキャリア2戦目。本質は前向き過ぎる気性でマイルならそのウィークポイントを打ち消しそうだし、既にそれを前哨戦で証し立てた直後。オークスで見せつけた底力を持ち出せる状況なのだ。

柴田卓哉
柴田卓哉

以上に割って入る候補としてはクイーンズウォークを挙げる。

昨年の当レースでは馬群を縫って伸びた結果、勝ち馬に対してのクビ差といった激戦を演じた。要は、当距離に対する底力を証明しているし、右回りだった桜花賞以外は崩れていないマイルということで、まだ伸びしろがあるわけ。

しかも、金鯱賞をステップに選んだように、ここに向かうノウハウが分かっている。4歳時も同様のローテーションだったから。しかも、昨年はオール単走だったのとは対照的に、今年はCWでの6F追い2本で1週前には3頭併せでの1F10秒台まで。ピークに達したと見做せる。

柴田卓哉
柴田卓哉

阪神牝馬Sからの巻き返しを図るラヴァンダには警戒が必要。

3歳秋の秋華賞4着があるように、きっかけさえ掴めば飛躍できるベースがあった。それが府中にターゲットを向けた昨秋からで、10月には牝馬限定のGⅡを制するや、年明けには牡馬に混じった東京新聞杯で2着。

確かに、コースロスを抑えた形でアドバンテージを得た一方、GⅢとは思えぬ質の高い中だったから価値は高いし、仮にそこでの勝ち馬トロヴァトーレ(牡馬だからあくまでも仮定の話)がここに出てきたらどんな評価になろうか。そのことも気に留めておきたい。

柴田卓哉
柴田卓哉

エンブロイダリー以外の関東馬で注目していたのがカナテープ

先に挙げたラヴァンダとであれば、アイルランドTでの0.1秒差があるし、関屋記念のレコード勝ちに高速ターフへのドンピシャぶりが表れている。しかし、追い切りが格下相手に先行しながらも1馬身半遅れで、ラスト50mを切ってからフォームが乱れる始末と調子を取り戻し切れず。阪神を叩いた効果なし。

柴田卓哉
柴田卓哉

それならばジョスラン

紫苑S2着がキャリア4戦目と大事に使われてきたし、直後からも2戦のみ。とはいえ、秋華賞では掲示板に載ったし、今季には待望の初重賞と、瑕疵なし。無論、マイルは初で一線級が相手と厚い壁があって当然。唯、元々がレースでコントロールが難しいように極めて前向き。

何より、今回のリフレッシュで一段と麗しい全体像に。その見た目だけでなく、厚みとはち切れんばかりのハリゆえ、撓むような身のこなしから生まれる推進力が以前とは全く違う。この成長力に賭ける手も。


5/16(土)新潟11R 新潟大賞典(GⅢ)

柴田卓哉
柴田卓哉

今開催、唯一組まれている重賞の新潟大賞典で注目すべきは、ドゥラドーレスを措いて他なし。

何故なら、未だシルバーコレクターとはいえ、3歳時には菊花賞4着があって、骨折に拠る長期ブランク後さえ、既にGⅡ2着だけでも2回。従って、ローカルのGⅢとなれば組易し。確かに、0.1秒差とはいえ、金鯱賞は大勢が決してからの突っ込み。が、最終追いがDWとイレギュラーな過程。

しかも、チークP着用ゆえ、11.4秒と残り4Fから一気にペースUPした中、一気に脚を使ったが為、結果的にはメリハリが利かなかった。逆に、今回は長目から行っての3F34秒台で負荷UPしてからの締めは坂路。本来のパターンを経ての真価発揮が見えてきた。

柴田卓哉
柴田卓哉

下馬評ではアンゴラブラックがライバル視されている。

確かに、以前は体質の弱さに悩まされていたが、その不安が解消されて以降、日進月歩で年明けには牡馬相手のGⅢで惜敗と能力を見せつけたのとは逆に、直近では人気を下回った。そこでは直線の不利もあったが、既に脚はなかった。これは、軟弱な馬場が合わなかったと同時に、真っ当なレース運びを強いられるとなし崩しになるといった面が露わに。

つまり、大箱で直線が長い設定では信頼度が低くなるわけ。牝馬のハンデ56キロで実質はトップハンデ並びといった点でも連下が妥当に。

柴田卓哉
柴田卓哉

それならば、ヤマニンブークリエ

年明けで能力を出し切れなかったのは、太目に尽きる。何せ、冬場ながら3本のみで、追い切りではラスト12秒切れずに+12キロでは動き切れなかったのにも納得が行く。対して、海外遠征を経た今回は、栗東入り直後からピッチを上げて調整を進めた挙句、2週前の時点で5F65.0秒とCWの自己ベストを更新と冬場とは雲泥の差。

速い上がりの決着に対して未知数といった不安はなきにしも非ずだが、昨秋・セントライト記念でミュージアムマイルとの0.1秒差がある。底力でカバーできそう。

柴田卓哉
柴田卓哉

穴で面白いのがシンハナーダ

今回が転厩初戦で手探りなのは確か。けれども、追い日に限ればオールDW追いでひと追いごとに時計を詰めた結果、最も速いのが直前と上昇カーブは急で、実戦での切れをイメージさせる1F11.4秒。躍動感溢れる身のこなしは、既にGⅢレベルを遥かに超えるなら昨秋の3勝クラス突破を持ち出せば良い。

そこでは、どうにか制御を利かせたことで弾けに弾けた。これに全く歯が立たなかった3着タガノデュードが、2000mのGⅠで勝負に関わることでも価値は上がるし、1戦1勝の新潟。大駆けがあって不思議ない状況に。


柴田卓哉
清水成駿の直弟子

柴田卓哉

調教 新馬

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙「1馬」在籍時には、「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。長年に渡ってトレセンに通い、今でも美浦スタンドで眼を光らせている。仕上がりを的確にジャッジする腕に、亡き清水成駿も厚い信頼を寄せていた調教の鬼。データが最も少なく難解な新馬戦を己の庭としており、世間が驚く穴の激走を仕留める。