【日本ダービー】着差以上の強さで三冠へ王手!/未完の好素材がタフな叩き合いを制す!【目黒記念】
FILE:5/31(日)東京11R
日本ダービー(GⅠ)
1000m通過は60秒7。ちょうどこの辺りでリアライズシリウスが自ら仕掛けて先頭に立ち、ほぼ同タイミングで最後方からバステールが一気に2番手までポジションを押し上げたことで1200~1400mのラップが12秒3から11秒5に上がったが、隊列に大きな変化はなく、各馬がしっかり脚を溜めて直線の伸び比べになった。
2馬身ほどのリードを持って直線に向き、粘り込みを図ったリアライズシリウスだったが、残り400mから苦しくなり一気にバステールが先頭へ。最内からライヒスアドラー、外目からパントルナイーフが脚を伸ばす中、一番外から飛んできたのが皐月賞馬ロブチェン。最後はパントルナイーフをアタマ差捉えた所がゴールだった。②着はパントルナイーフ、③着にはバステールが踏ん張り切り、ハナ差の④着にゴーイントゥスカイが続いた。
ロブチェンが見事にクラシック2冠を達成。これまでのレース振りからは中山の方が舞台が合うのでは?との見方もあったが、終わってみれば東京2400mの17番枠から33秒2の上がり時計をマークしてしまうのだから驚かされる。逃げて良し差して良し、馬場も枠も問わず勝負根性も申し分ない。着差は僅かでも『一枚上』の地力を示す素晴らしい勝ちっぷりで3冠をハッキリ意識できる勝利となった。順調に名馬への階段を昇って行って欲しい。
惜しくも敗れたパントルナイーフ。追わせて良いロブチェンからすれば、良い目標となった形で一歩前から勝ちに行ってのアタマ差は立派な内容。消化不良に終わった皐月賞が実力でないことを自らの走りで証明してみせた。一頓挫あったここまでの道程からしっかり立ち直らせた厩舎の力も光った結果と言えるだろう。
早目進出で③着に踏ん張り切ったバステールは鞍上のファインプレーが好走の一番の要因だろうが、各馬が溜めるタイミングで動いていることを思えば、最後の粘りは評価に値する。ここまでポテンシャル頼りで走っている感が強く、先々へ向けての課題は多いが、父の成長力などからして今後どう変わっていくのか非常に楽しみである。
メンバー最速となる32秒8の脚で追い込んだゴーイントゥスカイは隊列上で動けない位置にいた分だけ、仕掛けが後手に回らされたのが響いた。少し飛び上がるようなスタートで序盤に一歩引くポジションになり、それがそのまま結果にも繋がってしまった印象。着差からすれば悔やまれる部分が多いだけに、成長次第で秋での形勢逆転の可能性は低くないだろう。
─次はココに注目!─
6人気9着
コンジェスタス
道中はロブチェンと並走位置の馬込みから。かなりタイトな隊列の中でしっかり集中できており、狭い馬群の中でも鞍上の叱咤にちゃんと反応し圏内を維持して直線に向けた。そこから狙ったのがパントルナイーフとロブチェンの間だったが、そこにスペースが見出せず内へ進路を切り替えることに。
ただ、そのタイミングで内からマテンロウゲイルが出てきたことで、またもやスムーズな進路変更は叶わなかった。その後にできたスペースの中でも最後まで伸び続けていたし、2度の進路切り替えがなければ相当際どい勝負になったのではないかと推察される。
進路取りがスムーズならというだけで、初の舞台にも難なく対応し、馬込みも苦にしない走りはやはり素晴らしい。無傷の3連勝で重賞を制しただけの器の大きさは十分に感じられ、これから伸びていきそうなコントレイル産駒であることからも、秋への期待を抱かせる存在である。
FILE:5/31(日)東京12R
目黒記念(GⅡ)
直線は内目を突いたミラージュナイト、ファイアンクランツ、中団から外目に出したウィクトルウェルスとダノンシーマといった上位人気馬たちの争いになったが、内から抜け出したファイアンクランツが外2頭の猛追を凌いでの①着。②着ウィクトルウェルスが続き、最後に良く伸びたダノンシーマが③着に入った。
レースの上がり800mが45秒4で600mが34秒0。④Fの45秒4は過去10年でも2番目に速い数字で、ただ軽いだけでなく持久力も必要な直線の勝負になったことが、上位人気馬での決着に繋がった要因か。
ファイアンクランツはここにきての気性面での成長が著しい。好位5番手の馬込みでも多少力む程度でちゃんと我慢が利いていたし、直線でも狭い所を突く形でも素早い反応を見せた。元々がポテンシャルに疑いのない素質馬でもあり、心身が整ってきた近2戦の走りからすれば、更に上のステージでの活躍が見込めそうだ。
ほぼ同じ位置から内に行ったファイアンクランツとは逆の外へ進路を取ったウィクトルウェルスだったが、クビ差と1キロのハンデ差を思えば内容は互角以上とも評価できる。
重賞成績を思うと同ハンデでも良さそうな気もするが、恐らくは昨年のゆりかもめ賞で実際にファイアンクランツに勝っていることから設定されたハンデ。結果、クビ差の入線ならハンデキャッパー目線からはバッチリな設定だったことだろう。大事に使われてきただけあり順調な成長曲線。これからも長距離重賞カテゴリーで主力となっていきそうだ。
白富士Sで②着ウィクトルウェルスに先着している③着ダノンシーマのハンデは57.5キロ。①②着馬より少し重いハンデだったが、これまた時計差無しの③着入線だっただけに、ハンデキャッパーも満足しているかもしれない。
この辺りには川田騎手からも言及があったようだが、額面だけでなく実力評価で付けたハンデだと解釈しておきたい。レースとして、ダノンシーマはメンバー最速の33秒3の上がりで強さは十分に示しての③着。ハンデに敗れたという評価が妥当なところだろう。
─次はココに注目!─
4人気4着
ミラージュナイト
勝ったファイアンクランツと併せ馬で伸びかけたものの、最後の最後に甘くなって④着。戦前から東京の速い上がり勝負は不向きだろうとは思っていたが、負け方としても完全な伸び負けだけに、今回の敗因は軽い馬場での上がり勝負に尽きるだろう。
今後の成長次第な面はあるが、基本的にはヨーイドンではなく持久力を存分に生かしたいクチ。距離は2000m辺りでも十分に対応できるはずで、昨年同様、これから訪れる夏の北海道戦線での活躍を期待したい馬である。
(執筆:久光匡治)
二天一流ホースマン
久光匡治
GⅠ・重賞◎
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従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想ス タイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、根本、堀内、和田郎)


