【安田記念】充実一途の5歳が東の総大将
6/7(日)東京11R 安田記念(GⅠ)
GⅠシリーズのラス前になる安田記念には、昨年の春秋マイルGⅠを制したジャンタルマンタルが参戦せず。従って、本来は層の厚いカテゴリーとはいえ、ハードルを下げて組み立てるべきか。そんな状況になるとトロヴァトーレの充実ぶりを取り上げたくなる。
キャリア5戦目の当舞台でいきなりの(そこが初マイル)1分32.5秒があるわりに、4歳春までは矯めて一瞬の切れを生かすには中山が適舞台という 格好になっていたトロヴァトーレ。
確かに、着差は僅かだったが、脚を温存して坂を上がってから前を呑み込む迫力には頭が下がる思い。今季になってからは迫力ある稽古の繰り返しでそれには納得が行く段階だし、今回も1週前を経た挙句、馬場悪化の直前では、先週には劣勢だった同じパートナーに対し、測ったように捕えての半馬身先着で撓むような見事なフォームに。デキには太鼓判を捺せる。
ガイアフォースが主役の一角を占めるのは間違いない。
現に、ビッシリ追った先週には坂路50.3秒で昨春以上は確実。あともう1点、トロヴァトーレ同様、こちらも芝以外にも色目を使っていて、一昨年にはフェブラリーSでの2着がある。能力の表れであり、その面からも以上の2頭、どちらに◎を打つか直前まで迷いそう。
レーベンスティールが絡んできそう。
けれども、いずれも右回りで、昨秋のGⅠなどは追走するだけで負担が大きく自己完結。そのわりに、大阪杯では隊列が決まって外を追い上げる状況ながら、スパートした4角手前からは‘あわや’のシーンさえ。つまり、こなせる範囲を着実に広げていることを進化と捉えて良いわけ。坂下で追い出しを待つ余裕があった昨秋・毎日王冠の1600m通過が1分32.6秒。府中なら。
逆に、同じ厩舎シックスペンスは少々パンチ不足。
勿論、前後半差1秒5のスローだった前哨戦が外枠だったにも関わらず、道中で収まりがついたように収穫はあった分、全くの無視は危険だが。
復活したステレンボッシュは注目に値する。
加えて、強い負荷をかけるより、平常心を保ちつつ終いを伸ばすパターンが板についた模様で、本格始動からの2本がいずれもシャープな捌き。特に、耳をそばだてるようにして、鞍上の合図を待つ感じから鋭く伸びた1週前から更なる上積みを感じるべき。確かに、当距離は8着と伸び悩んだ昨春のヴィクトリアM以来だが、唯一のGⅠ勝ちが桜花賞。マイル適性に疑いを挟む余地なし。
アドマイヤズームが回避した今回、明け4歳の牙城を守るのがパンジャタワー。
唯、以前より胸前が大きく発達した、どちらかと言えばスプリント仕様になりつつある。この距離では脚の使い処が鍵になりそう。
6/6(土)東京12R 稲城特別
3歳が上の世代に混じるといったことで新たなフェーズを迎える開催がスタート。
その中、是非取り上げたいのが、土曜・稲城特別のウップヘーリア。
また、立て直した効果で幅が出た馬体を見せつけているのに加え、ラスト2本が3頭併せと成長度に見合ったメニューで、追い切りでは両サイドからサンドされる形から余裕があってのラスト11.7秒。以前より格段に走りのバランスに秀でてきた。
6/7(日)東京5R 2歳新馬
そして、いよいよ2歳がデビュー。その口火が切られる府中の3鞍のうち、最も興味深いのが日曜5Rの芝1800m戦で、ここではジョドレルバンク。
水曜は風雨の強まった時間帯に登場して、多量に水を含んで重くなったチップを避けて芝コースへ向かったジョドレルバンク。
そもそも、先月の再入厩からDWでピッチを上げた結果、1週前などは調子を上げている古馬3勝クラスを追いかけた上に、その外といった大きなコースロスがありながら最後には1馬身抜き去ったほど。器が違う。
サノノキセキの素質を買う。
尾形和厩舎の定番で直前は坂路でのしまい重点だったが、雨に祟られた馬場での1F12.2秒。昨年の当開催で新馬勝ちを果たし、皐月賞に駒を進めたすぐ上のサノノグレーターを彷彿させる。
柴田卓哉
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙「1馬」在籍時には、「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。長年に渡ってトレセンに通い、今でも美浦スタンドで眼を光らせている。仕上がりを的確にジャッジする腕に、亡き清水成駿も厚い信頼を寄せていた調教の鬼。データが最も少なく難解な新馬戦を己の庭としており、世間が驚く穴の激走を仕留める。


