【台風一過の厩舎便り】来週出走!2頭の最新情報&ファンの方からの質問にお答えします!

【台風一過の厩舎便り】来週出走!2頭の最新情報&ファンの方からの質問にお答えします!

06/05 (金) 厩務員・国枝栄の調教日誌

まず今週の水曜日(4日)は台風がすごかったね。雨と風が強かったけど、乗り運動が出来ないことはなかったので、普通に運動に出たよ。人間は外に出たがらない天気だったけど(苦笑)、馬自身はそこまで気にすることはなかったね。

ただ、外の風の音がびゅうびゅうと騒がしいから、各馬とも馬房の中でソワソワして落ち着かない様子だった。まぁ、それでも暴れるということはないし、特に問題なく作業していたよ。

トクシーカイザー&トゥザファイナル
次週の出走に向けて順調な仕上がり

担当のトクシーカイザーは5月30日(土)に坂路で52秒台の時計を出し、6月4日(木)にウッドで追い切った。来週の13日(土)の夏至Sに向けて順調だね。前走、出走する前の状態と比較しても、大きく変わることはないし今回も力は出せそうな仕上がりだよ。今回は久々のマイル戦になるから、そこがどう出るかだろう。

2歳馬のトゥザファイナルも5月30日(土)に追い切り、ウッドで69秒台の負荷をかけた。4日に追い切ったあとも疲れが出たということもなく、乗り込めている。小島茂之師が「使って行くとテンションが上がっていく血統」と言っているが、確かに徐々に気持ちが入ってきているよ。

▲大型馬らしい迫力ある馬体の
トゥザファイナル
それでも手に負えないということはないし、何か「威張っている」ような感じ。ただ、頭絡をつけるときに頭を上げてしまうので、スタッフに手伝ってもらっている。何しろ550キロもの大型馬だし、自分の背の高さでは頭を上げられると全然、届かないんだよ(笑)。

それを無理やり頭を下げさせたり、ガチャガチャやって馬と喧嘩しても仕方がないので、協力してやって作業時間の短縮もしている。

だいぶ厩舎の雰囲気や調教メニューにも馴染んできているから、力は出せそうだね。来週14日(日)のデビュー戦が楽しみだ。

かつての管理馬レイニングの活躍と
JRAが発表した来夏の暑熱対策について

話は変わるが、先週の5月31日(日)のむらさき賞で、レイニングが勝ってオープン入りを果たした。以前、自分が管理していてダービーも目指していた馬だったけど、そのときより成長していていい勝ち方だったよね。

馬込みでも折り合って競馬ができていたし、競馬慣れもしてきたんだろう。素質を感じていた馬だったので、軌道に乗れば重賞などでも十分通用してくると思うよ。

▲むらさき賞でクビ差の接戦を制した
かつての管理馬・レイニング(森一誠厩舎)
それともう1つ、先週JRAから来年の夏の暑熱対策についての話が出ていた。1日7Rまでしかやらない、替わりの分は春の三日競馬などで対応。夏の新潟では未勝利戦を行わない、函館での開催を1週増やすなどが主な施策だが、根本的な部分を変えていかないと厳しくなってくると思う。

JRAは「ダービーからダービーへ」という姿勢を強くしているから、未勝利戦を早めにやめてサイクルを早めているが、しわ寄せというか歪みが出てくるのは必至だろうね。2歳戦の頭数が揃わなかったり、芝・ダート問わず高額条件でも偏りが出てくるでしょう。


そうなると、現場や馬主から文句や不満が出てくるハズ。馬券の売り上げは上がっているから、手当てを増やせとかその分を還元しろとか、そういう話になってくると思う。

すると、レースの質も担保せず強行軍で使って出走手当てで稼いだり、そういう馬が増えていくとレベルに疑問符がつく重賞なども多くなり、ファンを無視するようなレースができるかもしれない。

やはり、小手先でちょこちょこ変えても、根本から見直さないと厳しいと思うんだ。暑熱対策をやるなら、例えば暑さ指数が一定値を超えたらレースはやらないとか、夏は新潟や小倉ではレースを施行せず函館と札幌のみで行う、とか。

温暖化が進んでいくと夏場のレースそのものが成立しないかもしれないし、思い切った手を打たないと、動物愛護の観点からも厳しい目が向けられる可能性がある。

▲暑熱対策の一環として
パドックではミストが噴射されている
以前も話したが、パドックで馬を曳いてみてやはり暑さは馬も人も気になったし、曳く時間の短縮は訴えていきたい。リスクやトラブルの確率の軽減になるし、明らかに負担が減るからね。

暑熱対策と一口にいっても、内容は多岐に渡るし人的なものなど難しい問題を孕んでいるから、軽々にはなかなかできないかもしれない。どういう形に収まっていくのか、また動向を見守りたい。

ここからは、ファンの方からの質問に
国枝厩務員が答えていきます!

Q.担当している馬のあだ名や呼び名などありますか?

A.厩務員になった当初から手掛けているトクシーカイザーは「トクちゃん」。今やっている2歳のトゥザファイナルは「ジャンボ」と呼んでいる。大きいからね(笑)。


Q.馬と接することで大切にしていることを教えてください。

A.自分の気持ちを高めないことだね。何があっても平静を装うというか。

例えば馬が少し悪さをしてもイラッとせず、顔や態度、言葉に出さないようにしている。寝藁や馬糞(ボロ)を掃除したいのに馬がどかないときも「はいよー、はいよー、どいてなー」など優しい物言いで話しかける感じ。

そこで「どけ!」とか「コノヤロー!」とか使うのはどうなのか…とね。

馬はもちろん言葉を話せないけど、こちらの表情を見たり強い口調に反応したりするし、人間と同じように「空気感」を察したりするんだよ。なので、平常心を心掛けている。


Q.馬の気持ち(嬉しいとか怒っているとか)は、どこを見ればわかりますか?

A.パドックでは各馬のクセとかあるので何とも言えないけど、普段の様子では頭をグーッと下げて一見元気がないようなときがリラックスしていることが多いね。

トクちゃんも普段は頭を下げていて落ち着いているけど、レース当日はやはりシャキッとしてパドックでもグイグイ引っ張っていたから、競馬で走ることが分かっていたんだね。

普段から頭や尻尾を振るクセのある馬もいるけど、やはりトラブルが少ないのはゆったり歩けていて落ち着きがある馬のほうだね。


★今後も質問は公式インスタグラムのストーリーズにてどんどん募集する予定ですので、【国枝栄 official】をフォローしてお待ちください!


※次回は6月12日(金)更新を予定しています。