【安田記念】ツキを味方に千載一遇の勝機を掴み獲る!

06/07 (日) 妙味解析!回顧ファイル
FILE:6/7(日)東京11R

安田記念(GⅠ)

逃げたのは大方の予想通りワールズエンド。単騎の形で600m通過は34秒5とスロー。少し離れた2番手にシックスペンスが続き、セイウンハーデスも早目のポジション。人気のガイアフォースは出たなりに中団の外目。トロヴァトーレは大外枠から出して行く訳にもいかずで、ほぼ最後方に構えて我慢の競馬になった。

後続を3、4馬身離してスイスイ逃げるワールズエンドを巡っての直線。2番手から外へ持ち出してシックスペンスが前を捕まえに動き、セイウンハーデスも追い出しを開始。残り400mを過ぎてもワールズエンドの脚色は鈍らず押し切り態勢にも見えたが、ラスト100m過ぎから各馬が急接近。

最後はシックスペンスがクビ差捉えた所がゴール。②着は粘り切ったワールズエンドと最後に外から突っ込んだガイアフォースが同着で分け合い、④着にセイウンハーデスが残り切る前残りの決着となった。

勝ったシックスペンスは国枝厩舎解散に伴い今回が田中博厩舎に転厩してからの2戦目。初陣のマイラーズCこそ奮わなかったが、以前にも増した意欲的な調教を重ねて今回からブリンカーも着用。前日のウッドでも時計になる数字を1本マークして臨んできていただけに、大きな変り身があって驚けない状況ではあった。これまでは体質の弱さに悩まされてきた馬であり、自身の成長もあるとは思うが、体質強化と転厩が上手くリンクした印象は強い。

勿論、単騎逃げのワールズエンドをリードホースとして上手に使えた武豊騎手のクレバーな騎乗あっての勝利だが、この名手を直前に確保できた辺りも運があったということかもしれない。スローの前残りという性質上、レースの中身は強く強調できるものではないが、あらゆる幸運が噛み合って千載一遇のチャンスをモノにできたというのは間違いないだろう。

②着ワールズエンドは自身のペース配分と武豊騎手の目論見がバッチリ噛み合った印象。1400m通過の1分20秒5は同日の1勝クラスより0.2秒速いだけの緩い通過時計で、馬場の変化はあれ、あれだけ可愛がってもらえればそう簡単には止まらない。それでも最後の最後に甘くなった辺りがこの馬の本質的な部分。やはりベストは1400mとの解釈で良さそうだ。

同着の②着に飛び込んだガイアフォースは前残りの流れを差し込んだ強い競馬内容ではあるが、自在に運べる器用さがある馬だし、戦前から遅い流れが予想されたレースだっただけに、序盤にもう少し出しておいても良かった気はする。濁さず言えば、勝てたレースを落としたとも言える競馬。こういうキャラだと割り切ってしまえば良いのかもしれないが、大チャンスを逃した、というのが率直な感想でもある。

④着セイウンハーデスも力のある所は見せたが、底力で勝負できる馬だけに、追い出しが全馬一緒のヨーイドンのタイミングになってしまったのが悔やまれる。力負けではなく、瞬発力勝負に敗れた結果。一歩先んじて動いていても何とかできた気がしてならない。


─次はココに注目!─
4人気5着
パンジャタワー


遅い流れに向正面では少し力むような面も見られたが、何とか折り合って直線もしっかり反応はした。ただ、流れもあっただろうが、前を捉え切れずで、後ろからガイアフォースに差されたのが紛れもない結果。

こなせるとはいえ、この距離では序盤から強気に乗れないのは確かだろうし、今回の走りからしても、溜められたからといってマイルで爆発的な脚は使えそうにないのが真のところだろう。

ストロングポイントをバッチリ発揮できるのはやはり短距離戦。少し外れた距離でも互角に走ってくる辺りで純粋なポテンシャル値の高さは示せているだけに、改めて短距離路線で頂点を目指して欲しい1頭である。

(執筆:久光匡治)


久光匡治
二天一流ホースマン

久光匡治

調教 取材 美浦
GⅠ・重賞◎
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従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想ス タイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、根本、堀内、和田郎)