【天皇賞・秋】得意の左回りで惜敗続きに終止符! ベリーベリーストロングな完勝劇!

11/01 (日) 妙味解析!回顧ファイル
FILE:11/1(日) 東京11R

天皇賞・秋(GⅠ)

好発を決めたレディネスが逃げる意外な展開。行くと目されたホウオウビスケッツは早々に控えて好位のイン。外からリアライズシリウスやコスモキュランダも無理をせず、レディネスが単騎で後続を引っ張る競馬で1000m通過は58秒8。

馬の気分に任せた少し速めのペースで馬群は縦に長くなった。注目の4歳馬2頭は、スタートを決めたクロワデュノールが中団の内、出脚一息のマスカレードボールはほぼ最後方からのレース。共に少し窮屈なポジションからの競馬を強いられていた。

直線に入ると馬群は広がり外からの差し馬の勢いが優勢。中でも大外を一気に弾けたダノンデサイルの伸びはひと際目立つもので、残り200mで先頭に立つと、一気に勝負を決めてしまった。

②着には馬込みから抜けてきたネブラディスクが飛び込み、③着は内から脚を伸ばしたレガレイラが入線。人気のクロワデュノールは直線での進路取りに手間取った面もあり⑤着が一杯。マスカレードボールは馬込みで満足な進路が確保できないまま⑪着に沈んだ。

前半1000m58秒8で後半の1000mが57秒9。道中での緩みが無い中でラストの600mは11秒4-11秒3-11秒3と締まったラップ。勝ったダノンデサイルは他の人気馬と違って前に何の障害もなく気持ちよく大外を伸びられた訳だが、そうは言っても2馬身半差は額面通りの完勝と言えるだろう。

戦前は懸念材料に感じられた大外枠も、終わってみれば思い切って腹を括れる材料になったかもしれない。上りはメンバー唯一の32秒台をマーク。日本ダービーを思い起させるべリーベリーストロングな競馬だった。激走後だけに体調面に目を光らせる必要はあるが、次走がジャパンカップであれば当然有力。やはり左回りの走りはひと味違う。

条件戦上がりのG1挑戦で②着に奮闘したネブラディスクだが、中団の馬込みでしっかり折り合ったうえで直線は馬と馬の間の狭い所を割って出てきた走りは本物。スタートからゴールまで堂々たる立ち回りをしており、決して恵まれての好走ではない。

気性に課題があり、キャリアの多くをポケットからスタートのコースを選んで使ってきた馬だが、条件戦とはいえ、前走はスタンド前発走の小倉で強い競馬を見せてはいた。資質を見抜きここへの出走を決めた福永厩舎の判断力が素晴らしい。まだまだ粗削りな部分を残した楽しみな4歳馬が出てきた。

③着レガレイラは内枠を利して上手に立ち回ったが、直線では下がってくるホウオウビスケッツを捌くのに少し手間取る場面があった。上位2頭の伸び脚を見ると逆転まであったかは微妙だが、今週は土日とも外の方が伸びる馬場傾向があり、結果的には内枠から内を突くことになったこと自体が上位2頭との差を生んだか。とはいえ、紅一点の立場で立派な③着。一流馬の地力は見せている。

④着タガノデュードは後方から大外のシンプルな競馬。流れを味方につけたとはいえ、ラストの反応は素晴らしいものがあった。自分でレースを作れず、あと一歩をどう埋めるかがカギだが、こうした確固たる武器がある馬だけに少しの噛み合いで金星を挙げる可能性を秘めた馬と言えるだろう。

⑤着止まりだったクロワデュノールは道中のポジションこそ悪くなかったが、いざ仕掛けての反応にいつもの俊敏さが無かった。そのため選べる進路も少なくなり直線で右往左往、最終的にはジョバンニと馬体を接触しながら抜けてくる強引な進路になってしまった。

抜け出してからもレガレイラ辺りとそう変わらない伸びだった辺りは久々の影響が少なからずあった感。次走への上積みに期待を懸けたい。


─次はココに注目!─
2人気11着
マスカレードボール


馬体は多少立派な程度。動ける仕上りに見えたが、スタートで遅れて序盤は何と最後方。何とかリズムを整え脚を溜めたものの、直線で馬込みを選択したのが完全に裏目に出てしまった。

内から外へと切り替えながら進路を探りステッキを抜けたのは残り200mを過ぎてから。そこからも下がってきたセイウンハーデスに詰まってブレーキが掛かり、今回は完全に何もさせてもらえないままの敗戦となった。

脚は存分に溜まっていたように見えたし、序盤の位置取りからすれば、勝ったダノンデサイルや④着タガノデュードのようにシンプルに大外に持ち出す形なら案外分からなかったかもしれない。走っていない分だけダメージも少ないだろうし、昨年惜敗のジャパンカップでのリベンジへ向け上積みは十分に見込めるはずで、評価を下げずにおきたい。

(執筆:久光匡治)


久光匡治
二天一流ホースマン

久光匡治

調教 美浦 取材
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従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想スタイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、平岩、堀内、室井、和田郎)