【毎日王冠】懸念を振り払って/果てはGⅠ馬の称号か【京都大賞典】
10/5(日)東京11R
毎日王冠(GⅡ)
─本日のスーパーSH◎OT─
◎⑩サトノシャイニング
(杉山 晴紀/武 豊)
ここ6年の勝ち馬を見ると5頭が3歳馬。はっきりした傾向が現れているレースです。
で、今年はというとサトノシャイニング唯1頭。この馬の取捨がまず命題となります。
デビュー2戦目でクロワデュノールと接戦。きさらぎ賞が圧勝で、皐月賞とダービーでも崩れませんでした。
そのポテンシャルは、今までに毎日王冠を勝った3歳馬と比べても、最上位だと思います。
問題は、今回その能力をちゃんと出し切れるかというところ。懸念材料として挙がっているのが、サトノシャイニングの一週前追い切りの様子です。
掛かってチグハグな形の併せ馬になってしまいましたが、引き最低限の点、即ちしっかり負荷をかけるということはクリアできたと思います。
結果的には1本の追い切りにインターバルの要素を取り入れるような内容で、これは美浦の旧Wコースで堀厩舎がよくやってました。
何にせよ、実戦でいきなり変なことになるよりは、追い切りの段階で済んだのは良かったのではないでしょうか。心構えがあるだけで違います。
結論としては、十分な能力がある事がわかっていながら追い切りのイレギュラーを根拠に評価を落とすのはいかがなものかと考え、当初からの予定通りサトノシャイニング◎とします。
穴なら……⑪シリウスコルト。
前走の敗因ははっきりしており、蹄鉄が変形した状態で走ることになり、踏ん張りが効かなかったとのこと。
息の合う鞍上を得て充実期に入っていることは間違いないと思います。
10/5(日)京都11R
京都大賞典(GⅡ)
─本日のスーパーSH◎OT─
◎④アドマイヤテラ
(友道 康夫/川田 将雅)
淀は金曜の夜中から朝までどしゃ降りで、完全に雨が上がったのが土曜の10レースあたり。
この原稿を書いている時点では日曜メイン時に馬場状態がどこまで回復するのか分からない。
ただ稍重発表以上に荒れていた2走前に渋った馬場をこなした、良・重馬場兼用のこの馬にとっては気にする必要はなさそうだ。
当時はあまり意識していなかったが、結果的に昨年の菊花賞はハイレベルだった。
勝ち馬のアーバンシックこそ今年未勝利だが、ヘデントールにビザンチンドリーム、そしてダノンデサイルやメイショウタバルらが国内外で活躍し一流馬への道を歩み始めている。
その菊花賞でロングスパートを決めて3着だったアドマイヤもライバルとの比較からGⅠを勝つだけの能力がある。
春シーズンは馬の成長に合わせたレース選択をして手薄な相手に連勝。たっぷりと休養を取って秋に備えてきた。
今後はジャパンC→有馬記念の王道ローテとのことだが、完成度を高めてきた今ならこの2レースでも有力な候補となりえるのでは。
仕上りも申し分なく、ここをクリアして勢いを付けたい。
穴なら……⑭サブマリーナ。
確固たる逃げ馬が不在だが、スタミナ勝負に持ち込みたいサンライズアースやサンライズソレイユあたりが早目に動いていくようなら途中から流れが慌ただしくなる可能性も。
そんな時に漁夫の利を得るのが前半は競馬に参加せずジッと我慢している差し勢。昨年の勝ち馬がまさにそうだった。
サブマリーナ自身は京都で3勝を挙げているコース巧者で、インから抜け出してくるような器用さも持ち合わせている。
あくまで展開待ちだが押さえておいてもいい。
渡辺芳徳
優馬の姉妹紙「競友」の本紙欄を担当。70年代から馬を観察し培った相馬眼は業界随一で、勝つ馬が纏うという独特の空気を看破するまでに。デキの差が如実に現れやすいビッグレースや新馬戦を主戦場とし、執拗に"勝ちどき"を追う。推し馬サロンでは「優馬マスターズ」に所属する。
須藤大和
2000年、新人時代に訪れた札幌の新馬戦にて8頭立て5番人気ジャングルポケットの素質を見抜く。同馬のダービー制覇後はその相馬眼を買われ栗東坂路の調教評価を務めること約25年、現在は優馬関西版の本紙欄担当にまで登り詰める。数字にはこだわらず、あくまで自らに蓄積した名馬のイメージと重ねることにより勝ち馬を看破する芸術家肌。


